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「生徒指導提要と学校教育相談」 簗瀨 のり子
●連日の暑さに、「酷暑や猛暑が当たり前になって、これ以上の暑さになったら何と表現するのだろう」などと他愛もない話をしているところに、前年度まで長らく支部理事をされていた小柳義一先生から、相談室だより秋号が届きました。小柳先生は慶翁寺こころの相談室でカウンセラーをなさっており、年に4回相談だよりを発されて支部事務局にも送ってくださいます。そこに秋の歌が三首載っていました。その一つに、長塚節の
●「馬追虫(うまおひ)の髭のそよろにくる秋はまなこを閉じて想いを見るべし」
●話は変わりますが、『生徒指導提要』(改訂版)(以下『提要』と表記)をお読みになりましたか。
●「発達支持的生徒指導では、日々の教職員の児童生徒への挨拶、声かけ、励まし、賞賛、対話、及び、授業や行事等を通した個と集団への働きかけが大切になります。例えば、自己理解力や自己効力感、コミュニケーション力、他者理解力、思いやり、共感性、人間関係形成力、協働性、目標達成力、課題解決力などを含む社会的資質・能力の育成や、自己の将来をデザインするキャリア教育など…」(P20)と読み進め、「そう、これこれ!」と、私は小躍りする感覚だったのを今も覚えています。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、そうだったのです。それは、目指してきた、そして、目指している“学校教育相談”の理念や主張が明記されていると感じたからでした。元会長の栗原慎二先生は「私は、教育相談にかかわる者たちがこれまで追い求めてきた「教育相談ベースの生徒指導」に国が舵を切ったと感じました。」(『学校教育相談 理論と実践のガイドブック』P16)と書いておられます。
●日本学校教育相談学会では、学校教育相談とは「教師が児童生徒最優先の姿勢に徹し、児童生徒の健全な成長・発達を目指し、的確に指導・支援すること」と定義し、3つの理念「児童生徒最優先の姿勢に徹する」「児童生徒一人一人に目を向ける」「児童生徒理解の格段の深化を図る」を掲げ、児童生徒の成長発達を重視し3つの領域「学業的発達」「キャリア的発達」「個人的・社会的発達」の統合的発達をめざしています。また、学校教育相談は3つの機能「開発的教育相談」「予防的教育相談」「問題解決的教育相談」を含み偏りなく重視しています。これは『提要』で示された3類(課題性の高低からの分類)の「発達支持的生徒指導」「課題予防的生徒指導」「困難課題対応的生徒指導」とも重なります。さらに、『提要』P16には教育相談は「生徒指導の一環として位置付けられるものであり、その中心的役割を担うもの」と明記されています。
●学校教育相談の理念や目的を再度確認し、様々な理論や技法、事例研究などの研修を継続し、「学びを実践に活かし実践を通して学びの実をあげる」これを積み重ねたいものです。学校教育相談を軸にした日々の教育実践が、今求められているのだと思います。
●事務局からの案内(P8参照)にもありますが、『生徒指導提要』改定を中心となって進められた八並光俊先の講演会を11月22日(土)の午後に開催しますので、是非、ご参加ください。
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